20220913_エンジンを捨てられるか
エンジンを捨てないVWという記事を読んだ。
VWはガソリン・ディーゼルエンジン車からEVへのほぼ100%シフトを目指し社内の改革を進めてきたが、その推進者だったCEOが事実上更迭された。
旧来エンジン車関連の人員削減案で労組の反感を買ったことによる。
新CEOが打ち出した新しい案は、水素燃料によるエンジン車への50%回帰だ。
しかし労組の反感で前CEOが更迭されたことを考えれば、水素燃料利用のエンジンへのスイングバックが、合理的判断に基づいたものなのか?同グループのポルシェが水素利用を決定したこともあるようだけれど。
ところで、
マレーシアのペトロナスが、子会社ジェンタリ(Gentari)を通じ脱炭素事業に重点投資するそうだ。
ペトロナス、脱炭素「二刀流」 50年排出「ゼロ」へ布石: 日本経済新聞
勢いのある国の勢いのある国営企業の新戦略は、経済力を背景に理想の事業ポートフォリオを描く。それは、太陽光発電、水素製造、EV充電設備設置の3本柱だ。
これを見てもわかるけれど、水素の運送にはパイプラインが必要だ。パイプラインをひくのはお金がかかる。お持ちの国しかひけない。そして遠くの国には、その国に水素製造装置がなければ、船で送る?水素カーのために?結局、水素カーのランニングコストはEVに大きく水をあけられそう。
車は、人気商売だ。安い、使いやすい、カッコいい、速い、安全、高い(ラグジュアリー感)など、価値はそれぞれ。
ポルシェが水素利用、ってことは、高い(ラグジュアリー感)、カッコいい、速い、あたりは水素という結論。
安い、使いやすい、あたりはEVってことかな。
だから、VWの作る車の半分は、「めっちゃかっこよくて、スピードも出て、ランニングコストも高いけど、走れる国は限られているよ」な車になるってこと。
一方、アウトバーンは80キロでちんたら走るEVで溢れるだろう。
水素カーはせっかくのスピードが出せなくてイライラー!っな未来を、軽自動車の溢れる日本の高速を走って思うのだ。