まほの毎日

夫と子ども二人と地方に住んでいます。日常を書きたいと思います。

20220601_味覚の限界

土井善晴さんが「グレーテルのかまど」で、お料理の素晴らしさを味覚の限界という切り口から素晴らしい言葉でまとめておられた。

 

「準備している母親の姿であるとか、においとか、そのときにみんなが喜んだとか、人とおやつの間にある物語を覚えているんであって、あのときの一緒に食べた味っていうのは、そこにいた人しか共有できないところに、お料理の素晴らしさがある」

 

うちの毎日のごはん作りは綱渡り。料理家さんのレシピを参考にしたり、冷蔵庫の残り物を「これでいいや」と組み合わせたり、市販のものを使ったり。。。自分オリジナルで誇れるのは、「適当にしたら何とかなったみたい」ってことばかり。

 

だけど、「作って、一緒に食べたこと自体が素晴らしいんだよ」って土井さんは言ってくれている。味が伝わるのは一緒に食べた人たちオンリー。楽しく、できれば美味しく食べられたら、それ以上は広がりようがないんだもの。そして人生の縦軸で効いてくる素敵なものだよ、と。家族とのごはん。友達とつついた鍋。旅先の疲れを癒したスープ。

 

味覚には限界がある。どんなにデジタルな世の中になっても、言葉を尽くしても、その場にいた人にしか伝わらない。でも、だからこそ、素晴らしい。その味の記憶が共有できるのは一緒に食べた人。自分だけの特別なものになる。

 

さて、今日もがんばろう。