20220615_料理頻度の世界調査
クックパッドとWorld Poll という調査会社が組んで、料理頻度の世界調査をまとめた、という記事を読んだ。
日本の料理頻度は第何位? クックパッドの世界調査で見えた現実 | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)
調査の主目的は国別比較というよりは、料理頻度を、文化、ジェンダーなどの切り口から分析し、ゆくゆくは料理と寿命との関連を導き出そうというものだ。今回はコロナの影響分析も含んでいる。
日本人は、自分たちの食の豊かさを誇りに感じている。和洋中エスニック!と家庭料理の充実度も世界にも類を見ない。それなのに。。。この結果は衝撃だ。
世界158の国と地域の中で、日本は65位。殆ど料理をしなさそうなアメリカ(49位)やイギリス(24位)にだいぶ水をあけられている。なんで?
しかも料理としてカウントできるのは野菜や肉といった材料を使っておうちで作ったものに限り、レディーミールを温めただけや、前日の残り物は数にカウントせず、という徹底ぶり。
?の訳は、この質問は男女平等に一人称で行われたということ。
「あなたは過去7日間で料理をしましたか?」に対し、家族の誰かが作った料理を食べただけの人は「いいえ」と答えなければならない。「いいえ」の数が多ければ平均が押し下がる。
つまり、この指標は家庭料理の充実度を表すのではない。どんなに食卓がバラエティに富んでいても、季節感が取り入れられていても、全く評価されない。日本人が考えている評価軸とは全然違う。どれだけ作ったか、つまり、健康な食生活を自分で作るという態度がどれだけ示されているかを表しているのだ。確かに、食材も文化も違えば充実度は横比較できない。でも作ったか作ってないかは国際比較するに足る価値だし、健康への社会全体の取組度合を反映していると言えるだろう。
料理は日本が胸を張れる分野だと思いきや、世界が考える評価軸は自分達が考えるところと全然別のところにあったんだ。しかもその評価軸はかなり的を射ている。
もしこの指標をCOOKPADが会社として改善しようとしたら、男性にアプローチすることが必要になってくる。私が見る限りだけれど、男性のレシピ投稿はとても少なく魚のさばき方とか趣味の世界に偏っている印象だ。
世界の男性は(女性も)、トマトを切ってサラダにしたり、パンの間に野菜とハムをはさんでサンドイッチにしたりして、料理カウントされていると思う。健康な生活を送るには十分だもの。
日本ならご飯とお味噌汁だから、やっぱり土井善晴さんの提唱される一汁一菜が鍵を握るのではと思い、COOKPADで「一汁一菜」を検索するとなんと27件。簡単なのかわからないのもある。
以前、妊娠中のつわりで台所に立てなかった時、我が夫は「簡単」とか「栄養満点」とかのキーワードをCOOKPADに打ち込み、ドロッとした恐ろしく不味い野菜炒めを作った。野菜の切り方が解らず、小さく刻みすぎたのだ(5ミリ角・汗)。わからない人はわからない。
一汁一菜なんて、とてもキャッチーで素敵なコンセプトなんだから、もっとしっかりしたレシピが検索で出てくるといいのになぁと思ったり。
現在、我が家は夫が毎朝食を作る。毎日同じパン、卵、ジュース。それで十分だ。だから夫の指標は7。私は毎夕食と昼食3回で10。だから我が家の指標は8.5。まずは足元から家庭内の指標を上げて、子ども達に、健康な食生活は自分の手で作るのが普通、という、普通の刷り込みをしていきたいと思う。