まほの毎日

夫と子ども二人と地方に住んでいます。日常を書きたいと思います。

20220921_ヨーロッパの出生率向上2

昨日の続き。スウェーデンは移民を多く受け入れている。移民の多くは貧しい国から来ていて、多くの場合多産だ。こうした移民の子供の数が出生率を押し上げているのか?

 

スウェーデン生まれの女性が生んだ子どもの数と移民の女性が産んだ子供の数を、出身国の属性によって比較した、Johan Tollebrantによるサンプル調査。

Immigrant fertility in Sweden_Tollebrant より

スウェーデン生まれの女性が生んだ子供の数のグラフは昨日のグラフの動きとほぼ一致していて、2人弱となっているから、スウェーデン出生率が2弱で踏みとどまっているのは移民の影響だけではなさそうだ。

 

昨日の記事から、スウェーデンの成功の秘訣は1に理念形成、2に課税制度改革、3に子育て支援財政出動、4に父親の子育て参加制度整備 である。どれが欠けてもうまくいかなかったのは経緯を見れば明らか。

 

スウェーデンの事例と比較した場合の日本の状況は、

1.理念形成×・・・子ども家庭庁だしね。家庭から公への理念形成が大事だったのに。先進国で、子育ては家庭が負うべきである、であれば子どもが減るのは実証実験済みなんだからさ。

 

2.課税制度改革×・・・年金3号受給者&給与所得控除の上限による、働くインセンティブを抑制する制度は、日本の場合は牛歩的にしかできない。

 

3.子育てへの財政出動x・・・現役世代に増税

 

4.父親の子育て参加制度整備△・・・国の理念がxな中で、国の懐が痛まない制度から着手。


4については「産後パパ育休」制度が始まるが、産後8週間以内に4週間って。。。産業界の意見ばかり聞くからこんな制度になる。第二子以降の出産時に適用されるならわかる。上の子の面倒をパパが見れるからね。

第一子の場合、ママが大変そうなのをそばで見てパパの自覚を促すってことだと思うけど。自覚できるパパとできないパパが出てきちゃうじゃない?

 

まとめると、日本の政策はちぐはぐで効果は目に見えないレベル。やらなきゃいけないことは目に見えているのにやってないってことは、結果、事実上の一人っ子政策を推し進めているということである。

20220920_ヨーロッパの出生率向上

SNSでヨーロッパの少子化対策で「うまくいった例」についての話題を目にした。

 

スウェーデン救った「子への投資は国の将来への投資」: 日本経済新聞

ストックホルム大学准教授 リビア・オラー氏の寄稿

出生率が低下した1930年代、多くの女性が働くようになっていた。

出生率低下は女性の社会進出のせいとみなされていた1934年、ミュルダール夫妻は働く女性が子どもを産み育てるのが難しい社会の方に問題があると主張し、子育てを社会全体の責任で負うべきとした。これが現代のスウェーデンの家族政策の礎となった。

・1971年に家族ごとの課税から個人への課税に変更。既婚女性が働くインセンティブとなったため、出生率は一時落ち込んだが、政府は公的保育制度を構築開始。2002年にマックス・タクサという制度を導入し、親が払う保育料に上限を設けた。第一子の場合、世帯収入の3%まで。

・男性の育休制度を1974年に導入。95年には育休の割合を父親と母親のそれぞれに割り当てる制度導入。父親の割合は母親に移すことができない。このため雇用主の理解も進み、女性の職場での立場が良くなる。これは労働市場が男女平等を実現するための重要なステップにもなる。

------------------------------------

上記を出生率推移のグラフと確かめると、2000年に向けて落ち込んだ出生率は2002年のマックス・タクサ以降上昇し、現在も1.7という水準で踏みとどまっている。

 

 

source: the world bank

 

20220916_教育格差

DXにより、学校の先生に求められるものは、授業法に代わり、子ども達の個性や特性に合わせたより良い学習支援法を高め実施することになると思う。昨日の続き。

教育格差の処方箋(上) 幼少期の学習支援、最重要: 日本経済新聞 (nikkei.com)

教育格差の処方箋(下) データで実態把握・効果検証: 日本経済新聞 (nikkei.com)

 

要旨
・どんな環境に生まれた子供でも、教育を通じて成功する機会が平等に与えられるとの理念の下、多くの国で義務教育や助成が行われてきた。しかし現実は生まれおちた環境によって不平等が生じている。

OECD加盟国で社会的・経済的階層が上位25%は下位25%より数学と読解力の成績が大幅に良い。日本は数学の平均点が非常に高いが、それでもなお下位25%の子どもの成績はOECD全加盟国平均を大幅に下回る。

・不平等の多くは非認知能力を育む4歳までの時期に現れるため、養育者の時間的・経済的余裕の有無が格差になってしまう。

・大学に行くことが最善、できればよりよい大学に、という現在の単一な価値観が、教育不平等の余波を拡大させている。大学進学以外の経済的成功への異なる道筋を用意する取組が必要。

・まずは国内でデータをしっかり取って分析して結果を出すべし。

・そして、教職課程で教育格差を必修科目にすべきで、現職の戦線への教育格差研修の必修化も急務。一般的に教職を目指す学生は高SES家庭出身だ(不利な生まれの子への共感が薄い)。


最後の項目は特に同感だ。発達障害の子どもたちへの対応にしても、学校の先生達の誤った発言や指導が指摘される事例も多くみられる。発達障害が何たるか、どういった発出がありどのように指導するかの研究が進み、世の中に周知されてきている。先生たちへの研修を一層深める必要があると思う。

20220915_教科書の重さ

上の子が中学に入学してすぐ、こんな題名のプリントが配られ、卒倒しそうになった。

 

プリントそのままを載せることは控えるが、要旨は以下。

------------------------------------

「教科書って、いくらなの?」

 ・中学の教科書は3年間で13,500円、小学校は6年間で18,000円。

 ・教科書代を国が負担する「教科書無償制度」は、1961年、高知の漁村の母親たちの運動から始まり、1963年に成立した。

 ・戦後の貧しさから抜け出せていない地方ではボロボロのお下がりの教科書を使っていた。学ぶことで貧しさから抜け出せるとの信念だった。

 ・無料の新しい自分だけの教科書で学ぶことは自分の人生を切り開くことにつながる。がんばってね。

------------------------------------

これ、今の日本?戦後?教科書代が無料なのを感謝せよと言っても、今の子には伝わらないんじゃないかしら?

 

お金で言えば、入学と同時に自費で購入した副教材代、12000円だったけど?公立中の制服に10万円以上払ったよ??部活の道具や活動費で5万円以上したよ???他にも変な色のジャージ代7千円とか鞄代16000円とか色々大変なんですけど?って言い募りたい親の気持ちは置いておくとして。


デジタルの時代、紙の教科書をありがたく思えと言われても、伝わらないんじゃないかしらということです。

 

デジタル教科書導入 学校教育、DXへ一歩: 日本経済新聞 (nikkei.com)

 

日本はまだ「一歩」を踏み出したばかり。

 

デジタル「教科書」って言ってるけど、次にくるのは絶対、デジタル「授業」。DXは授業の在り方を根本から変えてしまうだろう。

 

これに対し、教育界は抵抗するだろう。生の一斉授業は聖域だ。先生たちの学びの場として研究授業がしょっちゅう全国で開かれていて出張で飛び回っているし、国公立大付属学校では授業法の研究こそが存在意義だ。

 

こんな↓反対論もあるけど、コロナ禍の準備不足の状況下の問題点や、不正利用出来てしまう端末の不備はDXのせいではなく別に解決すべき問題だと思う。

 

脳科学者が警告「学校の一人一台端末導入で、日本の子どもはバカになる」 勉強にICTを使うのは逆効果 | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)

 

教職採用試験が軟化しているという。先生による時間外の丸付けが合法とされた。こうした教育現場の最近の動きはDXとは切っても切り離せない。

 

裁判では先生の時間外労働は違法と言ってほしかったけど、丸付けは先生の仕事だ。授業はデジタルで受ける。先生はケアの巧拙により評価されるようになる。先生は授業の準備に割く時間を圧縮でき、丸付けにより子ども達の習熟度を把握する。

 

記事によると、まずは誰もできない英語からDXするらしいけど、他の教科も同時に早急にとりかかるべき!!その意味がわからない人は、手っ取り早く1万円分の教科書担いで小一時間うろうろ歩き回るべし。もちろん階段で3階まで上がり下りしてね。

20220914_こんぶ

目に留まった記事。

北海道産コンブ生産量、最低更新: 日本経済新聞

 

北海道内では2014年に1.7万トンの生産があったが、2022年は1.2万トン半ばまで落ち込むという。

理由は、

・道東で流氷被害

・海水温上昇で生育条件悪化

・高齢化で人手不足

コロナ禍で飲食店需要は減退していたが、今後は回復基調。供給↓+需要↑で、業務用も家庭用も値上げ中、東京のスーパー小売価格はコロナ前と比較して9%高いとのこと。


ずっと前に、テレビでコンブ漁の様子を見たことがある。

これだったみたい。

ユリばあちゃんの岬  - NHKスペシャル

 

おばあさんが風の吹きすさぶ浜辺で、海からずりずり、ずりずり、とコンブを浜にひっぱり上げる。おばあさん以外の人影はなく、コンブ漁のための小さな番屋がひとつあるのみ。ずりずり、ずりずり。。。黒くて重たそうな、海水をたっぷり含んだコンブは、小さなおばあさんの体には似つかわしくない。けれどおばあさんはすごい力で黙々とコンブをひっぱりあげる。浜でそのまま乾燥させる。手間ひまはかかるけれど原価ゼロでお高い昆布が出来上がる。だけど、あの寂寥感溢れる浜辺で人生を送ろうと考える若者はそう多くないだろう。

 

道南では養殖が行われているようなので組織立って生産している。それ以外の地域は家族単位でずりずりしている。ユリばあちゃんは存命していないかもしれない。ユネスコ無形文化遺産の和食。その礎は脆弱に見える。

20220913_エンジンを捨てられるか

エンジンを捨てないVWという記事を読んだ。

エンジンを捨てないVW: 日本経済新聞

 

VWはガソリン・ディーゼルエンジン車からEVへのほぼ100%シフトを目指し社内の改革を進めてきたが、その推進者だったCEOが事実上更迭された。

 

旧来エンジン車関連の人員削減案で労組の反感を買ったことによる。

 

新CEOが打ち出した新しい案は、水素燃料によるエンジン車への50%回帰だ。

 

しかし労組の反感で前CEOが更迭されたことを考えれば、水素燃料利用のエンジンへのスイングバックが、合理的判断に基づいたものなのか?同グループのポルシェが水素利用を決定したこともあるようだけれど。

 

ところで、


マレーシアのペトロナスが、子会社ジェンタリ(Gentari)を通じ脱炭素事業に重点投資するそうだ。

 

ペトロナス、脱炭素「二刀流」 50年排出「ゼロ」へ布石: 日本経済新聞

 

勢いのある国の勢いのある国営企業の新戦略は、経済力を背景に理想の事業ポートフォリオを描く。それは、太陽光発電、水素製造、EV充電設備設置の3本柱だ。

 

これを見てもわかるけれど、水素の運送にはパイプラインが必要だ。パイプラインをひくのはお金がかかる。お持ちの国しかひけない。そして遠くの国には、その国に水素製造装置がなければ、船で送る?水素カーのために?結局、水素カーのランニングコストはEVに大きく水をあけられそう。

 

車は、人気商売だ。安い、使いやすい、カッコいい、速い、安全、高い(ラグジュアリー感)など、価値はそれぞれ。

 

ポルシェが水素利用、ってことは、高い(ラグジュアリー感)、カッコいい、速い、あたりは水素という結論。

 

安い、使いやすい、あたりはEVってことかな。

 

だから、VWの作る車の半分は、「めっちゃかっこよくて、スピードも出て、ランニングコストも高いけど、走れる国は限られているよ」な車になるってこと。

 

一方、アウトバーンは80キロでちんたら走るEVで溢れるだろう。

 

水素カーはせっかくのスピードが出せなくてイライラー!っな未来を、軽自動車の溢れる日本の高速を走って思うのだ。

20220912_給食費無償化

給食費無償化の動きが各自治体ででているそうだ。

給食無償化で子育て支援: 日本経済新聞 (nikkei.com)

例としてあげられた市川市では、完全無償化で追加経済負担が17億円、青森市では追加負担が10億円、ともに一般会計予算の約1%という規模。市川市では学校給食費が足元43億円から17億円増の60億円になるのかな。無償化の負担が項目のどこに分類されるのか知らないけれど。

 

愛読しているイギリス在住の方のブログで、物価高のなか給食がどんどん不味くなっているという話を読んだ。結果、残飯が増えるという悪循環らしい。

 

物価上昇が日本の何倍ものスピードで進むイギリスの給食の現状は、このまま何もしなければ、質を落とさなくては立ち行かなくなることを教えてくれている。

そして、給食が主な栄養源となっている子ども達が沢山いる状況は日本と同じだ。一番弱い人たちに、経済のしわ寄せが来る。


だから、給食費を公費負担として、食事の内容の維持・充実をしていくことは、目の前の子どもを守るための良手だ。


役所の人たちには、私たち非役所の人たちには見えない数字が見える。クラスの中の住民税非課税世帯の子どもの割合、非課税ではなくてもすれすれの生活をしている世帯。その数字を見て、行動をするか否か、自治体の差がでてくる。