まほの毎日

夫と子ども二人と地方に住んでいます。日常を書きたいと思います。

20221005_下水汚泥

農業界で下水汚泥が注目されているらしい。

化学肥料高騰で注目! 下水汚泥 肥料に変身…「安価で臭わない」農家から高評価:地域ニュース : 読売新聞オンライン (yomiuri.co.jp)

下水汚泥 「宝の肥料」に 佐賀市、10キロ20円の安さ: 日本経済新聞 (nikkei.com)

 

ウクライナ侵攻でロシアから肥料の原料となるリンが入ってこないとは、最近よく聞くことだ。その代替として、下水汚泥からのリンが注目されているらしい。読売のほうにはリンの言及はなかったけれど、日経記事のほうにはある。

 

下水中のリンの発生源は、横浜市の場合、生活排水50%、工場排水30%、農業・畜産・その他排水20%だそうだ。生活排水での内訳はトイレ70%、炊事・洗濯等雑排水が30%。工場の少ない佐賀市だと6割以上が生活排水由来だろう。

 

だけど、「コンパクト洗剤」のコンパクトの意味を実感として持てる私は、巨大で酵素パワーな洗剤の箱に目立つ「無リン」の3文字を思い浮かべて、?となる。今、販売されている洗剤の殆どはリンが含まれていないはず。でも、トイレ洗剤にだけはリンが大量に含まれているのかな?いやいや、そうではない。結局、リンの由来は便だ。リンを多く含む動物性食品を食べると、体に不要なリンが便で排出される。古来から、それはそういうものだ。肥溜めから肥料に使われて、口に入ってまた田畑にまかれる。便はぐるっとめぐっている。自分が知らなかっただけで。

 

ちなみに、下水処理ではバクテリアが下水中のリンの50%を除去できるらしい。あとの50%はそのまま海へ。ただし、大量に雨が降るなど下水処理場の能力を超える水量になりそうなときは、下水は処理されずにそのまま海に流される。だから処理されなかった便に潜むノロウイルスが、養殖中の牡蠣に入り込んだりして、ノロウイルス感染が繰り返されたりするんだね。便はめぐる。とりとめもない。

20221004_空き家

家余り1000万戸時代へ: 日本経済新聞 (nikkei.com)

 

高度成長期時代からずっと継続して民間住宅投資は内需を支え続けてきた。一生で一番高い買い物だものね。だから政府も新築中心の住宅産業を育成してきた。低金利も後押ししてフラット35とかも充実させてきたしね。

 

野村総研によると、2023年には1000万戸の家が余るとの計算らしい。現在、住人がいる住居が5360万戸らしいから、空き家数の規模の大きさがわかる。

 

しかも、この5360万戸の使われている家のうち、4150万戸が耐震性や断熱等の性能不足とのこと。驚かない。抜本的な解決策はなく解体以外に解はない。

 

海外で中古市場が活発なのはフォーマットが同じで持ち主の趣味性は内装で表現されているからだと思う。日本の住宅は、安い建売は低性能で、注文住宅は低性能プラス趣味性が高い。だから日本の住宅は売れにくいのではないか。

 

問題は、壊した次のことだ。中古市場への投入のしやすさを念頭に、耐震性・機能性はもとより、見た目もある程度のフォーマットを決めたい。地域ごとの景観に合った住宅建設を進められるよう、使える配色や形を決めたり、専門家の意見を聞いて魅力的なコミュニティづくりに役立つ開発をすべきだ。そうした取り組みが、住宅産業界、ひいては日本経済が受ける荒波の影響を小さくするのではないかと思う。

20221003_安倍元首相のガバナンス改革

安倍ガバナンス改革の功績 社外取締役が定着: 日本経済新聞 (nikkei.com)

 

安倍さんと黒田さんの強いタッグの下のアベノミクス、昔の職場では皆が興奮気味に諸手を挙げて歓迎していた。

 

私も認識がなかった、アベノミクス以外の功績は、日本の会社のコーポレートガバナンス改革だという。

 

2012年当時、海外投資家からの社外取締役普及への要求を20年間拒み続けてきた日本企業に風穴を開けたのが安倍元首相だという。

 

日本の会社の取締役会は生え抜き(高齢)男性で構成されていて、海外投資家から見たら風通しが悪すぎて安心して投資できないだろう。

 

安倍元首相は2014年「スチュワードシップ・コード」を策定した。機関投資家の議決権行使を促すものだ。それまでは、機関投資家がお客様から受託した株式の議決権はほぼ無視されていたが、社会的によい影響を与えたいと考える年金基金が議決権を行使し始めたら影響は大きい。

 

翌15年には「コーポレート・ガバナンス・コード」を作り、企業が株主との対話をするよう促した。この項目の一つが社外取締役の選任だ。社外取はコンプライアンス違反をしないためのお目付け役ではなく、成長のための外部からの意見と発想が変化した。

 

また、法律ではなく罰則のない規範(コード)として打ち出すことで、産業界からの反発をやわらげた。

 

社外取締役も順調に増え、投資業界でもこの新しい分野は手探りではあるものの進化し定着しつつある。グローバルでの日本のプレゼンス向上に熱心だった安倍元首相の、あまり表に出にくいお手柄である。

20220930_透明な投票箱

 ウクライナ領でロシアが占拠する地域で住民投票が行われた。その際、使われた投票箱が透明ケースだったことが耳目を集めた。日本人は透明の投票箱なんて見たことない。

Pro-Moscow officials say 4 occupied areas of Ukraine have voted to join Russia | PBS NewsHour

 

 私はテレビで見たのだけど、ウクライナと同時期にクウェートでも議会選挙が行われており、そこも透明。ここもなぜ透明?

クウェート、9月29日に議会選挙を実施|ARAB NEWS

 

日本は勿論、鍵付きジェラルミン。

参院選の投票率、10代は34・49%…全体との差は5回の国政選挙で最大に:写真 : 読売新聞オンライン

 

フランスは透明みたい。大統領選はブルーのエンベロープ。美しい、見せる投票箱。

仏総選挙 与党が苦戦、投票率は低調 - CNN.co.jp

仏大統領選、マクロン氏とルペン氏が24日の決選投票へ - WSJ

 

アメリカは実用&分かりやすさ重視、概ね透明じゃない。

バーやコインランドリー…意外な場所が投票所に! 米大統領選挙

 


中国(香港)は透明だったり、なかったり。

新選挙制度下初の香港地区立法会選挙が順調に実施 開票結果発表_中国網_日本語

Department of Justice - Community Engagement - Gallery - Photo Album - SJ casts vote in Legislative Council General Election


韓国はフタ付き。実用的!

韓国大統領選 午後1時現在の投票率61.2% | 聯合ニュース

 

スイス。鍵付きジェラルミン。角の丸みが美しい。

スイスでは誰が投票できる? - SWI swissinfo.ch

 

ケニア。半透明プラケースと結束バンドの合わせ技。廉価なもので実用的。

ケニアレポート -2013年ケニア大統領選挙- – PLAS(プラス)|アフリカの子どもを支える国際協力NGO

 

ドイツ。プラケースに紙テープの封印。紙テープの危うさが疑惑を呼んだこともある。

German Bundestag - Elections

German state election offers test amid Ukraine crisis | The Independent

 

イギリス。黒のプラケースと結束バンド。

In the UK, even prime ministers who win elections have a dubious mandate | Letters | The Guardian

 

私の結論。

透明ケース: 乱暴に積み重ねたりできないし、高価だし、実用性を引き換えにしてもアピールしたいことがあるときに使う。公正に選挙が行われていること(元々公正か怪しい場合)や、美しさ(フランスの場合)など。今回のロシアは投票用紙が封筒に入っていないから、投票人への恫喝目的もあり。

 

鍵付きジェラルミンケース: 荒く扱ってもOK、何度も使えるからSGDsにもGOOD。何より選挙の厳粛さを醸し出すことができる。南京錠も厳粛さのためのファッション。日本の場合は驚異的な開票作業のスピード確保のため、封筒に入れるなんて問題外だし、どこでもどの選挙でも同じものを使ってフローをマニュアル化か。

 

プラケース: 選挙への公正さが概ね担保されている国で使われている。途中で開けられない、投票内容が他人から見えない、などの目的が達成されれば何でもいい、という実用的な発想。個人的にはイギリスのものがいいな。横長型は積み重ねやすく倒れにくい(=壊れにくい)。黒&白で統一してあるのは洒落ていて選挙をブランディング

選挙が透明でなければケースが透明になる。やせ我慢のオシャレ目的じゃない限り。

20220929_孤独は体が求めるサイン

心を動かされた。

「彼が声を届けるわけは 〜永田町に通う大学生〜」 - 新番組 「Dear にっぽん」 - NHK

 

内閣府の孤独・孤立対策室を作るよう働きかけた若者の活動を追いかけたドキュメンタリー。

 

孤独・孤立対策室には、こんなチャットボットまでできていた。7月に内閣府HPを見たときには見かけなかったはず。

あなたはひとりじゃない|内閣官房孤独・孤立対策担当室

 

苦しんでいるときに、つながれる支援がわかりにくい、と、その彼、大空さんが番組の中ではっきりとした声で理路整然と訴えていた結果なのか。

 

大空さんが繰り返し伝える言葉。「お腹が空いたらごはんを食べるように、孤独を感じたら誰かとつながらなくちゃいけない。孤独は体が求めるサイン。」

 

不遇な少年時代を過ごした19歳の青年は大人を信頼できず、大空さんの「やりたいことがあれば助けてくれる大人は100%いる」ということが信じられない。その後、助けてくれる大人が現れ、人生を再挑戦(19歳だからここからスタートかな)する決意をしたときの言葉。

 

「これから出会う誰かに何かを与えられる人になりたい」

 

与えることは人生の喜びだ。それがわかるようになったのは、与えられたから。

 

足りていない人に、まず与える社会を。賛同します。

20220928_毒親

 あさイチで、毒親についての特集を見た。あさイチは時々、こんな中年女性の抱えがちな問題の掘り下げ特集をやる。華丸さんが、自分が頭に浮かんだことをそのまんま言うことも、社会一般の視点の提示になり面白い議論につながるし、そういった相方のある意味場にそぐわない発言も、見えていないはずの視聴者の反応をも包み込む、大吉さんの包容力あってのこととも思う。

 

 毒親という言葉が好きなわけではないが、この言葉の出現によって救われた気持ちにもなる。毒は究極のレベル。自分の状況はそこから手前の部分にあると思えることだ。

 

 子は親を毒と思いたくない。自分の親は自分にとって毒っぽいと思っても、親の良いところ、優しかった時の思い出、生んでくれたこと、躾をして育ててくれたこと、お弁当を毎日作ってくれたこと、学校を出してくれたこと、などを思い出し、毒部分を帳消しにはしないけれどかなりの部分を和らげる。だが、子のこうした心の動きこそ、子を却って苦しめる。親のことをこんな風に思ってしまっていいのか、私だって悪い子どもだったんじゃないか、と。

 

 番組ではそうした罪悪感にも焦点を当て、まず自分を守ることが大事と言っていた。親を変えることを期待せず、まず自分を守り、アイ(=I、自分)メッセージのコミュニケーション法を使いながら、ここから親子関係を作ることも可能である。

 

 毒親育ちの子は愛情不足だ。毒とは、愛情をかけすぎることではない。親が親のやり方で愛情を子にぶつけ続け、子が痛いと泣いている状況だ。ぶつけた後、痛かった?と聞くこともない。子は自分が認められなかったという気持ちを抱えて育つ。愛情不足だ。

 

 愛情不足で育った人は、大人になっても自分には何かが欠けていると感じているだろう。でも、子どもの時に不足していた愛情を埋めるため、大人になって親の近くに行って自分を明け渡しても、年老いた親はそれを満たしてくれるものではなく、無防備な自分が傷つくだけだ。自分を守ることとは、そうした自分の中の欠落感をあるがままに受け入れ、自分一人の力で立つことでもある。簡単に言えば、開き直ることである。

 

 親は先に死ぬ。その死に直面した時、自分が後悔することのないよう、自分のために親との関係を今からでも新たに作ること。そのためには欠落のある自分を受け入れて自分を愛してあげること。簡単なようで難しい、大事な事。

20220922_発達障害グレーゾーンと国連の分離教育廃止要請

そうかもしれないけど、そうじゃないかもしれない・・・グレーゾーンとはそういうものだ。
 
確かに検査の数値上は普通の範囲には収まらない。けれど、そんなことってどこにでもあるのではないだろうか。
 
例えば健康診断で、経過観察になっていることがある。症状は出なければいいし、出ないように気を付けることができる。
 
グレーゾーンだって、足りていないところのカバーをする方法を習得すればいい。最終的なゴールは数値ではなく、本人が仕事を見つけて自立し、社会の一員として自分の能力に誇りを持ち、自らが幸せだと感じて生きることだ。
 
ここまでは誰も異論はないはずだ。問題は、どのように足りていないところのカバーをするかへのアプローチの違いだ。現在、日本では、検査を受け、医療機関で医師の診断をもらい、本人と家族がそれを認識するところから始まる。
 
つまり、できないことを認めることからアプローチする。
 
そこには絶対的な普通という標準があり、生まれながらにその標準から下方にずれていることを指摘されるのは、大人でも子どもでも受け止めるのが大変難しいことだ。むしろ、今まで何とかなってきた実績のある大人のほうが容易い。それに、障害の傾向があれば受け止めることの難しさも一層なのだ。
 
どのみち、本人に知らせても知らせなくても、本人は難しさを薄々感じている。そうであれば、とりもとりあえず告知するのではなく、できていることを認め、将来に向けてできることをさらに伸ばすために、できないところを引き上げるアプローチがあってもいいのではないだろうか。
 
 
さて、国連が、日本の分離教育制度廃止を要請したことが話題になった。
 
少なくとも、こうした要請が出るということは、この分野に関して日本がガラパゴス化しているのではという疑問は当然持つべきだ。だが、文部科学省は完全拒否の構え。ほかの識者や親たちの反応も、自分達のやっている方法が自分達に合っており、よって現在のアプローチは正しいという論法。
 
全面的に現状を肯定する姿勢に、違和感を覚える。難しい問題であるのは確かだが、子ども達のためにも、どんな方法がありどのように成功につなげているのか、海外からの意見を聞く耳も持ちたいと、一人の親として思う。どの子も国の宝なのだから。